
SCOTT 「SUB40」のオーバーホール作業を承りました。
こちらのモデルイヤー2012~13年くらいでしょうか?

さて、初見でもかなりの年季モノだと判ります。
チェーンやケーブルではサビが進行し、タイヤやブレーキシューなどのゴム製品ではひび割れが起こっているのが散見されました。
聞けば、お客様は以前にこちらのバイクを中古で買われ、購入後は特にメンテナンスや不良パーツの交換などされる機会
がなかったとのことでした。

また、走行時に歯飛び(ペダルを踏み込むと空転する)症状があるとの由。
見ると、フロントのチェーンリングの歯がかなり摩耗して痩せています。
これではチェーンがうまく歯にかかってくれません。

なにはともあれ、まずはどうのようなメンテナンスを行うかをご相談した結果、「オーバーホール」を実施することに決定。
そこから一旦バイクをお預かりをし、表出している症状や交換した方がベストと思われるパーツをピックアップ。
一通り拝見したのち、御見積金額をお伝えすることになりました。

お預かり後に、改めて車体を精査しましたところ、フロントディレーラーと呼ばれる前側変速機に異常が見つかりました。
なんと、ディレーラーの外側のウィングの一部がちぎれそうになっており、文字通り首の皮一枚で繋がっている状態でした。

また、それを動かす手元のシフトレバー
も内部のゼンマイ機能が作動せず、変速
が出来ない状態になっておりました。
早速、その旨をお客様にご連絡。
最終的にそれらも交換ということになり、御見積金額を改めてご提示。
お客様より作業許可を頂いたところで、さぁ、ここからいよいよ作業開始です!

オーバーホール(※ホイールに関わる作業は別料金になります)はすべてのパーツをフレームから取り外し、こびりついている泥や油汚れを丁寧に洗浄していきます。
そして、全て洗い終わったら、それらを元通りに組み付けていきますが、その際に、グリスと呼ばれるペースト状の油を必要な箇所に必要な分量だけ塗布しながら元に戻していきます。

ヘッドベアリングです。
鋼球の状態は幸運にも良好です。
ベアリングやハウジング部分の汚れや劣化したグリスをキレイに取り除き、新しいグリスとともに戻します。

ボトムブラケットのシェル内です。
こちらは洗浄後の画像ですが、御覧の通りピカピカになりました。
このあと、新しいグリスとともにボトムブラケットを再組付け致します。

こんな作業もやります。
これは、ハンドルバーの端部です。転倒されたのでしょうか、かなりギザギザに荒れています。
これでは、どんなに新しいグリップを取り付けても、付けたそばから内側より切れて次第に裂けていくことでしょう。
ヤスリで端面をキレイに整えていきましょう。

新しいシフト兼ブレーキレバーも取り付けました。
このあと、振れ取りを終えたホイールを取り付け(今回のホイール作業は振れ取りのみのご依頼です)、変速及びブレーキ調整をして作業完了となりました。
今回のパーツ交換では、一部にメーカーからの入荷が遅いものがあり、お返しまで10日ほどかかってしまいました。
通常でしたらもっと早くにお返しができるのですが、メーカーの在庫不足や供給遅延の影響は自転車本体のみならず、パーツ類にも及んでいます。
結果、お客様にご不便をおかけする事態となり、本当に申し訳なく思っております。
そんな中でも、出来る限りの手を尽くして部品を調達し、お客様にご満足いただけるようこれからも努力して参りますので、メンテナンス等ご検討中の方は、是非当店にご用命くださいませ!
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
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